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まごころ


 

2007年8月
カトリック三島教会
主任司祭
ファム・ディン・ソン

 時間のたつのが早いもので、もう8月に入っています。8月には聖母マリアの被昇天の祭日があり、終戦記念日があります。今年は戦後62年を迎えました。日本のカトリック教会は十数年前から「平和への決意」を、そして「非暴力による平和への道」という生き方を目指しています。
  しかし現に日本をはじめ、世界各地では争い、殺人事件等を絶えない日々、たくさんの尊い命が奪われ、悲しい現実が私たちの間に起こっています。毎日のニュースを聞き大きな溜息しながら、この地上に本当に平和な日が訪れるのでしょうかと思います。
 そんな中で、先日友人からE-メールが届きました。このメールを読んで感動しました。 私自身が小さな平和が芽生えていることを感じました。平和のことを考えると、いつも世界単位で考えがちの私ですが、だから希望を持ってないのではないかと思います。「平和」って、大きく考えるのではなくて、身近に小さなことをまごころを持ってかかわり、 一所懸命に生きることが大きな平和へと繋がるのだと思います。この小さな平和のお話を是非皆様にも読んでいただきたいと思います。

  ある朝、ニューヨーク市の中心部に面している通りに、一人の老人が意識不明で道端に倒れていました。通りかかった人たちに助けられ、救急車で病院に運ばれました。目を覚ました老人は自分の命は後がないことを悟り、死ぬ前にどうしても一人息子に会いたいと訴えました。 息子は海軍で北カリフォルニアの基地の業務に従事していました。老人の望みに沿って、病院側は赤十字に連絡し、その旨を伝えました。人道の見解から赤十字が軍機関に連絡して老人の息子を割り出しました。せめて最期の時に親子を合わせたいと、軍関係者が力を尽くしてくれました。
 急いで病院に駆けつけた息子は看護師に父親のベッドに案内されました。病人が言葉も発することもできず、ベッドに横たわっている姿を見て、彼は胸が詰まりました。 看護師が老人の体をゆすり動かして起こし、耳元に「息子さんが来ていますよ」と声をかけました。老人はわずかのしぐさで起きていることを示しましたが、病気によって両目が見えなくなっていました。息子が来ていることが分かったのか、震える細い腕で何かを探すしぐさをしました。それを見て息子は、ベッドの横に跪き、手を出して老人の手と合わせました。老人は小さな手で、がっちりしている息子の手を、力を振り絞って握り、息子の両手を自分の手で暖めました。愛する息子に最後の時間に会えたこと、手を握りあい、父子愛を確認できたことで満足したのか、老人の顔は幸せに満ちていました。息子は、父親の緊急事態の知らせに、急いで遠方より病院に駆けつけたため、何も食べておりませんでしたが、緊張と疲れでベッドの横で父親の手を握りながら一夜を過ごしました。夜が明けたとき、父親は息を引き取りました。彼は父親の手をはずし、看護師に父親がなくなったことを伝えました。死者のためのすべての手続きを終え、死体安置所に納めた後、看護師はナースステーションに戻り、父親を失った息子に言葉をかけました。彼が疲れていて昨日からまだ何も食べていないことを知り、自分が持っていた朝食を彼にあげ、そして温かいコーヒーを入れてあげました。 その朝食を食べながら、息子は看護師に聞きました。 「あのご老人はどなたですか。」「え!何ですか。」と目を丸めて、驚きながら看護師は尋ねました。「あのご老人はあなたのお父様ではなかったの?」「いいえ、違います。これまでに出会ったことがない方でした。」彼はしばらく沈黙して、再び話し始めました。 「私にも病気の父がいます。お知らせが入ったとき、父との別れに間に合うのかと心配しながら急いで来ました。しかし、ベッドに案内されて、あのご老人を見たとき、これは別の人と間違われたのだと気づきました。しかし、この緊急なときにあのご老人の息子さんを探し出すことは不可能だと悟りました。また、この世を去る時にあのご老人を失望させたくないし、息子さんに会えなければ安心して死ねないでしょうと思って、息子さんになりすましました。」
 数日後、老人の葬儀に本当の息子の姿がありました。彼はノースカロライナの海軍基地に勤務していました。老人の死に立ち会った兵士とは同姓同名でした 。

 
 

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